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奈良・新薬師寺の香薬師

奈良・新薬師寺の香薬師

 

 

折に触れて思い出す仏像があります。
奈良・新薬師寺の香薬師です。


新薬師寺は東大寺の南方、飛火野の南、高畑町にあります。西ノ京にある薬師寺との関係はなく、近くにある東大寺の末寺のようです。

バス停で下りてだらだら上りの道を、古い崩れかけた築地などを見ながら行くと15分ほどのところに新薬師寺があります。近くには志賀直哉の旧居もあります。

 

新薬師寺は小さなお寺ですが、本堂は天平時代の建物で、すっきりしたたたずまいは和辻哲郎が絶賛しています。なるほど南門の石段に座って本堂をみていると、心が穏やかになっていい気分になります。

 

本堂の壇上には国宝の薬師如来と十二神将のパノラマ空間が展開されています。本尊の薬師如来は仏像にしては目がくっきりとしており、そのためか眼病の仏とされています。

現在奈良の仏像のスターは興福寺の阿修羅王のようですが、かつては新薬師寺の十二神将のうちの伐折羅大将で、500円切手の図案にも採用されました。

個人的には30年ほど前に目の病気でお祈りすることがあって、ここの薬師如来に願をかけ平癒して以来、奈良に出かけると必ずといっていいほどお礼参りをしているのです。

 

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そして何よりここには、香薬師という素晴らしい仏像がありました。法隆寺の夢違観音、深大寺の釈迦如来とともに白鳳三仏といわれる仏像です。これらは代表的な白鳳仏で、小ぶりなかわいらしい仏であるためファンが多く、私もその一人です。

 

ところが、この新薬師寺の香薬師は3度の盗難にあい、現在も行方不明となっているのです。現在はそのレプリカが本尊右前方に安置されています。

 

この数奇な仏の行方を巡っては、元産経新聞記者・貴田正子の「香薬師の右手」(講談社)に詳しく記されており、香薬師を追って現在も取材活動を続けています。

数年前、切断された香薬師の右手が発見され、奈良博に展示されたことがあり、私もそれを見ることができました。

貴田氏によると、4年前には本体の行方もかなり範囲が狭まり、見通しは明るいという風に書いていますが、まだ発見するには至っていません。

香薬師がみつかったら、すぐに拝観しようと待っているところです。

 

新薬師寺は普段も参拝客が少なく、静かな雰囲気のなかで拝観することができる、心地よいお寺です。
コロナ禍が終息して、旅行ができるようになったら真っ先に訪ねたいお寺のひとつです。

 

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この仏像を見かけたら、すぐに警察に連絡ください。

 

香薬師がみつかるまでは、何とか発見できるよう、ときどきこのブログで取り上げる予定です。