晩酌に「のどぐろ」
GW中のある日の晩酌のごちそうです。
写真に写っている焼魚は、「のどぐろ」です。びっくりしました。
金沢にやってくる旅行者に人気の魚は、この白身の高級魚「のどぐろ」です。
地元民は、もともと家で「のどぐろ」を食べることはほとんどありません。
行きつけの飲食店(割烹)にいったとき、今日は「のどぐろ」が入っているよと、店の主人から声をかけられるくらいです。
ひとつには高級魚で主に料亭などで消費されていたことがありますが、石川県での漁獲量がそれほどでもなかったことによって、もともと地元民には「のどぐろ」を食べる習慣がなかったのです。
それが新幹線が開業してたくさんの観光客がやってくるようになって、多くの人が「のどぐろ」をもてはやし、名指しで食べたがるようになったのです。
なぜか、金沢名物のようになってしまったのです。
調べてみると「のどぐろ」の水揚げ量が多いのは、島根県や山口県、新潟県などということです。やはり石川県はそれらの県の何分の一かしかありませんでした。金沢で食べているものは、ほとんどが県外産なのです。
金沢と「のどぐろ」が、どうして結びついたのかは不明です。たまたま割烹で「のどぶろ」をすすめられ、うまいと思ったのが発言力の強い人たちで、それが東京や大阪で拡散していった、などと推測するしかありません。
実際はどうなのでしょうか。
私が前回「のどぐろ」を口にしたのは去年の秋で、割烹のコースに入っていたのですが、その前はというと、さらに何十年の昔になります。
「のどぐろ」が、今回わが家の食卓に上ったのは、コロナ禍によるものでした。
金沢への旅行者がほとんどゼロとなり、高級料亭や割烹がすべて休業して、高級食材の消費量が激減した、その食材の普段よりかなり安くなっているという報道がありました。
そんなことで、「のどぐろ」はマーケットに出てくることになったのでしょう。
小さい「のどぐろ」でしたが、よく脂がのった、濃厚な味わいでした。
「のどぐろ」が、再び家庭の食卓に上らなくなるのは、コロナ禍が終息し観光客が戻ってきたときとなるのでしょう。そうなるときが、早く来ることを祈ります。