春の雪
金沢もこの冬は暖冬、10度以上の日が続いています。
1月の積雪量はゼロ、12月に2センチを記録したのみです。
ところが今日から数日間は、天気予報に雪マークがついています。
今季最強の寒気団が入るといういう予報です。
立春を過ぎているので、この雪を俳句では「春の雪」といいます。
消えにけりあわただしくも春の雪 漱石
『日めくり 子規・漱石』の2月8日のところに、こんな句がのっていました。
「顛末から書くことによって、慌ただしく降って人を困らせても、結局は消える春の雪のはかなさを強調した」と、説明がありました。
この後ろに、石田波郷の句が掲載されていました。
春雪三日祭のごとく過ぎにけり 波郷
「春雪をにぎやかで楽しい祭りにたとえる捉え方」と、してありました。
たしかに春の雪には、はかなくも消えていくもので、それが人々の生活に影響するほどは積もらない雪というイメージがあります。
金沢の天気予報にある今日からの雪は、本当に春の雪のような感じなのか、それとも本格的なものになってしまうのでしょうか。
これまで降らなかっただけに、ちょっと身構えてしまいます。
ところで春の雪の2句、漱石と波郷の俳句で、どちらがお好きでしょうか。
私は、波郷に軍配を上げることにします。
上五が字余りですが、そんなことを感じさせない軽快感が、何ともいえません。