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日めくり 子規・漱石

Twitterで、『日めくり 子規・漱石』(神野紗希)という本を見つけました。本の装丁が気に入ったので、アマゾンで求めました。

 

漱石の俳句は全集の第17巻に入っていますし、子規の句集も持っていますが、この両者の俳句を一冊にまとめたのが、面白いと感じました。
子規または漱石の句を、1日1句づつ掲載してあります。

 

漱石は、俳句の添削を子規にしてもらっていて、今でいえば子規は俳句の師であったのですが、そんなことにはこだわらず、自由な雰囲気のなかで楽しんでいたようです。

発行所は愛媛新聞で、やはりいいところに目をつけたと思います。
著者の神野紗希は、まだ30代のようですが、句の解説は多方面におよんでいて、読み応えがあります。

1日1句づつ、ゆっくり読もうと考えています。ブログのネタがない時には、ここから選ぶこともできます(笑)

 

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漱石の俳句といえば、前に1回書きましたが、大失敗したことがあります。

結社に所属して、結構まじめに俳句をやっていた時、月報のエッセーを頼まれたときのことです。
金之助の句をとりあげました。


   紅梅や舞の地を弾く金之助


漱石の本名は夏目金之助です。京の祇園に遊びに行った時の句です。

ときは春、三味線の小唄などに合わせて踊る芸妓の華やかな景色です。

 

舞の地とは、踊りの地方(じかた)、伴奏の意味ですが、なんと金之助・漱石が三味線を弾いているではありませんか。

さすが明治の文人、やることが粋で漱石も三味線を弾くことも簡単にやってのけている、とそんな感じで文章を書いたのです。


何年かたって、句の本当の意味が分かって冷や汗ものでした。
金之助というのは祇園の芸妓の名前だったのです。
漱石は自分の本名と同じ名前の芸妓・金之助を贔屓にしており、三味線を弾いていたのは、芸妓の金之助だったのです。

 

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俳句は短いので、いろんな想像ができて誤解を招きやすく、間違った解釈がありがちですが、これは解釈上のそれとは大違い、お粗末でした。

 

俳句仲間と合評をしていると、逆にいい意味の深読みをする人がいてくれて、本人が思っても見なかった評価をされることもありました。

 

定型の短詩系の俳句は、第二芸術といわれたことがありますが、まだまだ根強い人気があるようです。