はてな版  金沢と『三州奇談』  

金沢と『三州奇談』の雑記帳   ki-dan.com

現代語訳『三州奇談』その17 「怪異流行(巻之四)」

元文元年(一七三六)中秋の良夜、午前一時頃、金沢・材木町の塩屋某は気心の知れた三人で連れ立って、月見がてら、紺屋坂下堂形前の空き地にやってきた。 そこで怪しいことが起こったのだ。背の高い三人は裸になり、下帯だけになり、衣類や大小の刀を帯でく…

現代語訳『三州奇談』 その16「非無鬼論」(巻之二)

近頃方々の寺社建設のための資金集めという名目で、富突きというものがはやっている。わずかの金額だが、多くの人から多くの札を集めてやっている。 錐で箱のなかを突いて、その一回だけで程度を越えた金を賞金として渡している。このため人々は家を売ってま…

現代語訳『三州奇談』 その15「夜行逢怪」

「夜行逢怪」(巻之三)には首の長さ六、七尺もある女の話が四つも出てくる。ニコニコ笑って行き過ぎた首があり、すれ違いざま息を吹きかけられ具合が悪くなった侍もいる。 金沢市橋場町に不破医院があるが、ここに出て来た不破玄澄という医者の子孫である。…

現代語訳『三州奇談』 その14「程乗の古宅」

金沢城内に後藤程乗屋敷なるものがある。前田利常の時、程乗は毎年京都からきて、殿の好みに応じてつとめていたので、ここにその屋敷跡があるという。 この後藤の先祖は、京都の室町幕府十二代将軍義晴に仕えて、彫物細工で名高かったが、その後衰退していっ…

現代語訳『三州奇談』 その13「異類守信」

加賀藩の年寄・長家は、長谷部信連を始祖として続いており、連竜の武名は北国に知られ、加賀藩の家臣として三万三千石の所領をもっている。この家のことは別の書に詳しいので略する。 ただ長家には、ほかの家とは違っていることが多い。第一に鷹狩りを禁じて…

現代語訳『三州奇談』 その12「鞍岳の墜棺」

鞍岳は金沢城下の南西に位置しており、高尾山と峰続きである。近郷の高山は霊妙不思議な山であり、鞍岳山頂には真夏でも枯れない池があって、水は炎天でも涸れることはない。 その付近の池には山彦の怪があり、蓴菜の名所で、夏には訪れる人が大勢いる。